言葉で言えない気持ち
友人のご兄弟がニートで、「親が甘やかすから」といっていました。
そして「ライオンが崖から子供を落として這い上がる」事をしないからいつまでもあんな風になっているんだと話していました。
私は「そんな事をしたら死んじゃう」と言っていました。
友人親と同じことを言っていると驚いていました。
私の従弟もヒモのような生活をするか、家の引きこもりしかできないのがいました。
おばあちゃんっ子で、泣き虫な従弟でした。
そして親戚中揃って、「甘やかしているから」と言って、叔母や叔父を非難していた時代がありました。
勿論、私もその一人でした。
叔母は「生きていてくれるだけでいい」と言っていたことがありました。
その当時はわからなかったのですが、今ならわかります。
無理強いなことをしたら「死んでしまう」事を予想していたのだと思います。
男の人はとても弱いところがあります。女性とかなり違います。
長女、長男に対して、私はわかってあげられないダメな親でした。
子供の気持ちを理解できなかったのです。
離婚して、生活していくために仕事優先にしていました。
専業主婦だった私は、離婚同時に外で仕事をすることになります。
子供は我慢を強いられていました。
息子は特に甘えっ子で私から離れないような幼少時代だったのです。
甘えたかったと思います。傍に居て、一緒に寝てと甘える子供でした。
大人になって息子は仕事が長続きしませんでした。
何度も叱り、何度も「出ていけ」とはねつけたのですが、
彼は私に「帰る場所がなくなるのは嫌だ」と大人になって私に涙を見せました。
その時にこの子は愛されたいんだ。
まだ、子供なんだ、大人の体なのに、心は成長しきれていないというのがわかりました。
こんな時に「無理やり一人暮らし」をさせたら、この子は「見捨てられたと思うだろう」というのがわかったのです。彼が25歳の春でした。
それから、私は今までの態度をやめました。
甘やかしていると非難されてもいい、育て方を失敗したと言われてもいい、「大切にしている」という態度でこれからは接しようと決めた時でもありました。
27歳になろうとしている息子に「可愛い」というのも変ですが、毎日、彼の部屋に入り、毎日彼の世話をしています。
もう、子供扱いするなと言われるまでやり続けていこうと思います。
守っているのではありません。一緒に生きようって感じです。
私が後悔しないように沢山愛そうと思ったのです。冷たくしていた時代を取り返そうと思います。
時々、私も怒ることがあります。
その時、息子は不貞腐れます。
プイッと私も「もう、知らない」と鼻息荒くしても、「やっぱり、これじゃいけない」と思い、彼の部屋に入って涙を溜めながら「仲良くしたいのよ」と縋っている自分がいました。
こうやってだんだん私が頼るようになった時、「自分が人から必要とされている」とわかってきた時に自然と旅立つのかな~とぼんやり考えています。
世間の目は、〇〇じゃなきゃダメ、〇〇にしないとダメ、そんなひな形を押し付けて、子供を強くさせる事ができると錯覚していないだろうか?
彼に「親から見捨てられた」と思わせることが、果たして本当に強い子になるのだろうか?
私は疑問に思います。
今は、私の会社で彼は仕事をしています。
まだ、彼に託せるほどにはなっていないけど、彼は彼なりに、きっと手ごたえを模索しているのだと思います。


