親が子供に与える影響
高校三年生の二学期から、遅刻が目立ち始めます。
全て寝坊です。何度起こしても起きないから、強制的に起こすと大げんかでした。不機嫌になり、喧嘩していると時間が過ぎ、遅刻していました。
そうこうしているうちに友達の家に宿泊していくようになります。そうなると朝はもちろん寝坊しています。
ますます、遅刻や休みがちになり、いよいよ、先生から連絡がはいります。
三年生の3学期に入ってから「あと数時間で、単位が満たなくなります。落第することになります。」という担任からの連絡でした。
ここまで来ると起こすだけではなくて、遅刻しない様に車に押し込んで、単位の足らない授業に遅れない様にさせて居ました。
毎日、言う事など聞きません。
帰ってこない日もあり、とうとう、3年生の1月の終わりごろ、進学も就職も決まらずに落第という事態になりました。
なんとか先生に頼んで編入という形をとって、高校だけは卒業しました。
24歳になった彼女は今では私と仲良く旅行に行くような仲になりました。
その時を振り返って、子供を直そうと必死に戦っていましたが、こういう状態にしたのは間違いなく私だったと思います。
彼女は私に必死に認めてもらおうと頑張っていた中学時代がありました。
必死だったのに、何をやってもうまくいかず、最後にはなんでも立候補したがる彼女に
「お前には無理なんだから、やりたがるな、立候補するのはやめとけ」
と言っていました。
私は「恥をかくばかりなんだから、初めからやるな」 ということを伝えたかったのですが、そうは言いませんでした。
どのみち、彼女は傷ついていたのです。
上手くいかない事も、やめとけと言われることも、彼女は傷ついていました。
そして、反抗という態度に変わっていったのです。それが遅刻して単位を落とすことでした。
彼女の自己主張だったのです。何をやってもダメ だから、どうでもいいでしょ?と言わんばかりです。
彼女が20歳ごろでしょうか。ふと突然思いついたことがありました。
運転中のことです。助手席にのる彼女の心が突然入ってきたのです。
「そうだったのか・・・ お前、立候補よくしていたな? (学級委員だったり、合掌会のピアノの演奏だったり、終いには生徒会に立候補したいとまで言っていた) もしかして、それって、ママに認めてもらいたくてしていたんじゃないの?
ママ 今まで気が付かなかったよ、それなのに、ごめんね。気が付けなくて。」
横を見たら、黙って俯いて、大粒な涙を膝の上にボタボタと落としていました。
今思うと彼女の反抗は友達の喧嘩が原因でもなく、学校が嫌な訳でも、先生が嫌いでもなかったのだと思います。
私が彼女一人をきちんと受け止めていたら違ったように思います。
今高校1年生の一番下の娘がいます。
彼女は上の娘とは全く違う性格です。だから、同じように反抗しても、違う形になります。
彼女の反抗は意見をぶつけてきます。「そういう言い方やめて、暗黙のうちに拘束しているんだよ」とか
「こう言わせようと仕向けているんだよ」とか言ってきます。
反発するのは性格によってかなりやり方が変わります。でも、その性格を作るのはある意味親の影響がかかわっています。
その性格形成の時期はやはり幼い時期の3歳のころまでだと思います。
同じように育てていたのにと思うかもしれませんが、同じようにはできなかった環境があったように思います。
そして 「どう行動すれば、親が自分に関心持つかという事を考える時期」 があるものです。
そんな時、長女の時と、次女の時とは全く違いました。それは環境もですが、大きな違いは性格が違うからです。
思春期の反抗は幼児期の性格をつくる時期に大きく影響するのだと思います。
そしてその性格に基づいて、子供が反抗するのは
「親が自分に関心を持つにはこうすることが一番効率がいいと判断した」 という個性的な方法を選んでいるんです。
だから、「甘やかしているから厳しくしなさい」 なんて答えは大外れなんです。
的外れです。
子供は 「今の自分を、理解してほしい、認めてほしい、なのに、それができない親に反抗している」 のだと思います。
子供を直そうとする前に、まず、不出来な親だという事に気づいて、同じ目線に立って子供を見てほしい。
同じ目線になれず、教えこんだり、強制したり、厳しくしても、子供の人格否定にしかなっていないんです。
だから反抗していくんです。
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